ふくぶろ

垂れ流しブログ

成瀬善久投手に思いを馳せる。

どーもどーもフクモリです。

 

今日はクライマックスシリーズファイナルステージ。

1stステージでは、どちらも第3戦にまでもつれる白熱した試合でしたね。

特にセリーグの2位DeNA阪神の試合はそれぞれ1、2、1点差で終盤に試合をひっくり返したりサヨナラゲームあったりと劇的な展開が多かったように思います。

 

クライマックスシリーズ1stステージ開催前には、寂しい報道も駆け巡りました。

各球団の戦力外通告選手の発表ですね。

 

その中で一人、名前を見てより一層に寂しさを覚えた選手がいました。

 

成瀬善久

 

成瀬は千葉ロッテに入団し、その後ヤクルト、オリックスと渡り歩いてプロ通算96勝をあげた好投手。

栃木県出身で高校野球の名門横浜高校からプロの門を叩いたサウスポーである。

 

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ロッテ時代の成瀬投手

 

なぜ、彼に対して特別な感情を持っていたのか。

それは彼のキャリアハイの成績を挙げた2007年の活躍をリアルタイムで見ていたからである。

2007年、私は当時中学1年生。

中学校の軟式野球部に入部して、プロ野球の試合をより細かく見だした頃だ。

 

その年の成瀬はとにかく凄かった。

 

【シーズン成績】

16勝1敗 防御率1.81 勝率.941 WHIP0.92

パリーグ最多完封4試合

 

【獲得タイトル】

最優秀防御率投手

最高勝率投手(当時は最優秀投手として表彰)

 

前年の2006年ロッテの成績は4位のBクラス。

それを2位に押し上げ大貢献したのがこの成瀬だ。

しかもこの当時、成瀬は高卒プロ入り4年目であり、前年に5勝を挙げて期待を受けていたとはいえ、ここまでの成績を残すとは誰も予想できなかったのではないだろうか。

 

さらに、この年に喫した1敗はセ・パ交流戦での横浜戦に記録したものであり、パリーグにおいては無敗という無双っぷりであった。

 

成瀬の独特な右腕を高く挙げてゆったりとしたフォーム(招き猫投法と呼ばれた)から繰り出される投球は、打者を翻弄した。

 

ストレートの伸びもキレも素晴らしく、変化球もキレて、特に左打者が腰を引きながら空振りするスライダーは見ていて痛快だった。

 

暇さえあれば野球中継を見ていた私が成瀬を見かけるたび、その独特なフォームからバッタバッタと打者を切って取り、当然の如く白星を積み重ねていく姿は鮮烈に記憶された。

 

言わずもがな、誰もが認めるロッテのエースだった。

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北京五輪出場時

投球フォームもよく真似したものである。

 

そんな成瀬も、ロッテ在籍晩年は「貯金のできる投手」ではなくなっていった。

白星と黒星がほぼ同じ、または負け越しの方が多いシーズンもあった。

 

2010年にロッテはレギュラーシーズン3位からクライマックスシリーズを勝ち上がり、「史上最大の下克上」を達成したシーズン、成瀬は13勝を挙げて貢献したが、それ以降白星が上回ったのは2012年の一度だけ。

 

2014年がロッテ在籍最後のシーズンとなるが、最後の2年間は怪我や不調で二桁勝利をあげることはできなかった。

 

その当時から、本塁打の多さが目につくようになった、

16勝を挙げた2007年はシーズン被本塁打10本に対し、2010年の被本塁打29本も打たれている。

その後は被本塁打数はやや改善されたが、コントロールの甘さが目立ち、ピンチの場面で粘れなくなった印象が強い。

2011〜2012年は、パリーグ投手でワーストの失点と自責点を喫している。

さらに、2014年の与四死球45と、プロ入り後ワーストを記録した。

 

2014年のシーズン終了後に成瀬はFA宣言。

東京ヤクルトへと移籍し再起をかけるが、在籍3年間で6勝に終わり、2018年にはプロ入り後初めての一軍登板0に終わり戦力外通告

 

2019年にオリックスの入団テスト経て契約を勝ち取るが、このたび2度目の戦力外通告を受けた。

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最後まで輝きを取り戻すことは叶わなかった。

 

近年のパリーグでは、ダルビッシュ(元日ハム)や則本(楽天)、千賀(ソフトバンク)、菊池(元西武)、大谷(元日ハム)に代表されるようにパワーピッチャーが群雄割拠している。

 

その時代にあって、成瀬は150キロにも満たないながらも伸びとキレの良いストレート、大きく曲がるスライダー・チェンジアップを武器に、パリーグの並み居る打者を押さえ込んできた。

 

力強い150キロを超えるストレートで三振を奪う姿も猛々しく心踊る場面ではあるが、成瀬のようにストレートと変化球のコンビネーションで打者を淡々を打ち取っていくのもまた一つの魅力である。

 

私のとしては、成瀬のような、表情を変えずに淡々と打者を料理していくような、ある種の職人のようなピッチャーが大好きのようだ。

 

成瀬の今後はまだ未定とされているが、もし引退されるのならば、今後はなんとか球界に残ってもらい、若い投手にその経験と投球術を伝授していってもらいたいと切に願っている。

 

現役を続けるのならば、いつか一軍の舞台であの独特なフォームがマウンドで躍動するまで応援し続けたいと思う。

 

今後、成瀬のような投手は出てくるのだろうか…

当時衝撃を受けた、あの時の成瀬の再来を期待しようと思う。

 

成瀬投手、どんな選択になったとしても、あなたの今後を応援しています。